THE LOT.

ABARTH 595|逸話

イタリアの街を駆け抜ける“小さなスコーピオン”。 その刺すような加速と、まるで生き物のようなサウンド。 ABARTH 595は、単なるFIAT 500の派生ではなく、“走りを信仰する哲学”そのものである。

ABARTH 595
ストーリー 01

スコーピオンの紋章に込められた“毒の哲学”

ABARTHのロゴに描かれるサソリは、創設者カルロ・アバルトの星座“蠍座”に由来。 「小さくても一刺しで勝つ」という信念を象徴。 595もその精神を受け継ぎ、“軽量×過給”というアバルト流の走りを現代に復活。

ストーリー 02

FIAT 500から“毒”を注入されたホットハッチ

ベースはFIAT 500だが、ボディ補強・足回り・ECU・ブレーキ・排気まですべて専用。 アバルトの技術者は「チンクエチェントの可愛さに毒を盛った」と語るほど。 その結果、街乗りでも“笑いながら攻められる”特異なキャラクターが誕生。

ストーリー 03

595という数字の意味

“595”は、1963年に登場した名車「Abarth 595」へのオマージュ。 当時の595はFIAT 500をベースに排気量を594ccへ拡大、 軽量ボディでモンツァなどを席巻した伝説的なモデル。 現代版595も、原点回帰と進化のバランスを象徴することになぞらえたネーミングである。

実は1960年代モデルの595も“白地に赤ストライプ”が象徴カラーであった。
ストーリー 04

タービン音とエキゾーストサウンドは「職人のチューニング」

595のエンジンサウンドは“偶然”ではない。 吸気、タービン、マフラーの共鳴音が「人の耳が心地良く感じる周波数」に調整されている。 特にCompetizioneのレコードモンツァは、 加速時と減速時で音の高さが交差するよう設計されており、 聴覚的にも“走るリズム”を楽しむことができる。

ストーリー 05

インテリアに宿る“レーシングDNA”

シートポジションは低く、ステアは小径。ペダルは金属製のドリルホール加工。 これはアバルトが戦ってきたレーシングマシンの意匠そのままである。 “街中でもサーキットの気分を”という設計思想が、 日常と非日常の境界を良い意味で曖昧にしてくれている。

ストーリー 06

CompetizioneとTurismo——二つの個性

Turismoは上質で洗練されたグランドツアラー、 Competizioneはサーキット直系のピュアスポーツ。 同じ595でも“牙を見せるか、流すか”で性格が違う。

ストーリー 07

アバルトのエンブレムは“手貼り”

実はボンネットとリアのアバルトエンブレムは、 イタリア本国で職人の手により1枚ずつ貼り付けられている。 ごくわずかな“傾き”があるのは個体差ではなく、“手仕事の証”だという。 その細部にまで、工芸品のような魂が込められている。

ストーリー 08

走るだけじゃない、“語れるホットハッチ”

ABARTH 595はスペックで測るクルマではない。 操作するたび、街を曲がるたびに、ドライバーに語りかけてくる。 その個性は、まるでクラシックギターのように、触れる人によって響きが変わる。 現代において“走りの感情”を提供する稀有な存在。

ストーリー 09

限定仕様“Yamaha Monster Edition”の誕生秘話

595×Yamahaコラボの背景には「音とスピードの共鳴」という共通思想。 エキゾーストサウンドとバイクのエンジン音を連動させるコンセプトで開発された。 マフラーの音質解析には、レクサスLFA同様Yamaha楽器部門の技術も応用されている。

ストーリー 10

アバルトは“人生を刺激するツール”

カルロ・アバルトはかつて「クルマは人の魂を目覚めさせる機械」と語った。 595はまさにその思想を現代に伝える存在。 コンパクトで、実用的で、それでも情熱を忘れない。 毎日が少しだけ熱くなる——それがアバルトというブランドである。

エンジンを始動させステアリングを握る、そして街がサーキットに変わる。それが595の魔法。
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