PCCJ2026 Rd8 / Rd9
鈴鹿サーキットというコース。
世界に誇る、日本屈指のドライバーズサーキット。
THE LOT.がスポンサーを務める STAR RIZE RACING
Porsche Carrera Cup Japan 2026。
Rd6、Rd7のSUGOを終え、 次に迎える舞台は 鈴鹿サーキット。
2026年のPCCJは、 9月11日〜13日に鈴鹿でRd8、Rd9が開催されます。
ここから数回にわたり、 鈴鹿サーキットを セクションごとにご紹介していきます。
今回はその第一弾。
まずは、 「鈴鹿サーキットとは、いったいどんなコースなのか」 というところから。
日本で最も有名なサーキットのひとつ。
鈴鹿サーキット。
モータースポーツに詳しくない方でも、 一度は名前を聞いたことがあるのではないでしょうか。
F1日本グランプリ。 SUPER GT。 スーパーフォーミュラ。 鈴鹿8耐。
国内外のトップカテゴリーが 長年にわたって戦ってきた、 日本を代表するサーキットです。
そしてPCCJにとっても、 鈴鹿は特別な場所。
2026年のPorsche Carrera Cup Japanは、 鈴鹿、岡山、富士、SUGOなど 国内屈指のサーキットを舞台に開催されています。
その中でも鈴鹿は、 ドライバーの技量が非常に分かりやすく出るコースのひとつです。
最大の特徴は「8の字」。
鈴鹿サーキットを語るうえで、 絶対に外せないのが 「8の字」 という独特のレイアウトです。
一般的なサーキットは、 コースを一周してスタート地点へ戻ってきます。
しかし鈴鹿は少し違います。
コースの途中に立体交差があり、 一度コースの下をくぐってから、 もう一度別方向へ進んでいきます。
上から見ると、 まるで数字の 「8」 のような形。
世界的に見ても非常に珍しいレイアウトです。
この8の字レイアウトによって、 鈴鹿には 「一周の中で、同じような場所がほとんど存在しない」 という特徴があります。
高速コーナー。 中速コーナー。 低速コーナー。 上り。 下り。 ブレーキング。 連続コーナー。 長いストレート。
一周の中に、 ほぼすべてのドライビング要素が詰め込まれています。
「速いだけ」では、鈴鹿は攻略できない。
サーキットを速く走る。
そう聞くと、 できるだけブレーキを遅らせて、 できるだけ速い速度でコーナーへ入ればいい。 そう思うかもしれません。
しかし、 鈴鹿はそれだけでは速く走れません。
むしろ、 「どこで無理をして、どこで我慢するか」 が非常に重要なコースです。
例えば高速コーナーで ほんの少しだけ進入速度を上げる。
一見すると、 それだけでタイムが縮まりそうに思えます。
しかし、 その結果としてクルマの向きが悪くなり、 次のコーナーでアクセルを開けるタイミングが遅れれば、 そこで失ったタイムのほうが大きくなる。
鈴鹿では、 一つのコーナーだけを速く走るのではなく、 「次のコーナー、その次のコーナーまで含めて一つの区間」 と考える必要があります。
鈴鹿は「リズム」のサーキット。
鈴鹿を走るドライバーが よく口にする言葉のひとつ。
それが 「リズム」 です。
特に1コーナーからS字、 そして逆バンクへ続いていく区間。
左。 右。 左。 右。
クルマの荷重を左右へ連続して移動させながら、 速度をほとんど落とさずに進んでいきます。
ここで重要なのは、 一つひとつのコーナーを 「別々のコーナー」として考えないこと。
最初のコーナーでクルマの向きを作り、 次のコーナーへその状態をつなげ、 さらに次へつなげていく。
どこか一箇所で操作が遅れたり、 ステアリングを切りすぎたりすると、 その影響が次のコーナーまで残ります。
これが、 鈴鹿というコースを理解するうえで 非常に重要なポイントです。
ドライバーの操作が美しいと、 一連のコーナーを まるで一つの動作のように抜けていきます。
逆に、 どこかでクルマのバランスを崩すと、 その小さなミスが次の区間まで積み重なっていきます。
高速コーナーがあるからこそ、勇気が必要になる。
鈴鹿には、 ドライバーの「度胸」が試される場所もあります。
代表的なのが、 130R です。
長い西ストレートから、 高速で飛び込んでいく左コーナー。
ここでは、 ただブレーキを踏む技術だけではなく、 高速域でクルマを信じる感覚が必要になります。
タイヤ。 空力。 サスペンション。 路面。 そして自分自身。
それらすべてを信じて、 どこまでアクセルを残せるのか。
そこに、 ドライバーの技量が大きく現れます。
もちろん、 速さだけを求めて無理をすることとは違います。
クルマの状態、 タイヤの温度、 路面温度、 風向き、 セットアップ。
すべてを考えたうえで、 「今日はここまで攻められる」 と判断する。
それもまた、 レーシングドライバーの仕事です。
そして、鈴鹿には「高低差」がある。
写真や映像だけを見ていると、 鈴鹿は非常にフラットなコースに見えるかもしれません。
しかし、 実際のドライビングでは 高低差が非常に大きな意味を持ちます。
上りでは、 クルマの荷重が変化します。
下りでは、 ブレーキング時の感覚も変わります。
同じブレーキポイントでも、 上りと下りでは クルマの止まり方が違う。
つまり、 「何メートル手前でブレーキを踏む」 だけではなく、 「その場所でクルマがどういう状態なのか」 を理解しなければなりません。
これが、 レースドライビングの難しいところです。
5.807kmの中に、すべてがある。
鈴鹿サーキットの4輪フルコースは 5.807km。
コース幅は10〜16m。 コーナーは18。
その一周の中に、 高速。 中速。 低速。 ブレーキング。 加速。 荷重移動。 高低差。 スリップストリーム。 タイヤマネジメント。
レースに必要な要素が ほぼすべて詰まっています。
だからこそ、 鈴鹿は 「ドライバーズサーキット」 として世界中のドライバーから評価されています。
PCCJだからこそ、鈴鹿は面白い。
Porsche Carrera Cup Japanは、 基本的に同一仕様の Porsche 911 GT3 Cup を使用して競われます。
つまり、 「あのチームのマシンだから速い」 という差をできるだけ小さくし、 ドライバーの技量、 チームワーク、 セットアップ、 タイヤマネジメント、 レース戦略によって勝負が決まります。
だからこそ、 鈴鹿のようなドライバーズサーキットでは、 ドライバーの差がより分かりやすくなります。
同じクルマ。 同じコース。 同じ条件。
それでも、 一周するとタイムが違う。
その差を作っているのが、 ブレーキ。 ステアリング。 アクセル。 ライン。 そして、 クルマとの対話です。
ワンメイクレースの面白さは、 まさにここにあります。
鈴鹿という難しいコースで、 911 GT3 Cupをどこまで引き出せるのか。
そこには、 市販車とは全く違う レーシングカーの世界があります。
鈴鹿を一周すると、ドライバーの仕事が分かる。
鈴鹿サーキットは、 単純に「速いコース」ではありません。
どこか一箇所だけが難しいわけでもありません。
一周すべてが、 次のコーナーへつながっています。
ホームストレートで速度を乗せる。
1コーナーでブレーキング。
S字でリズムを作る。
逆バンクからダンロップへ。
デグナー。
ヘアピン。
スプーン。
西ストレート。
130R。
シケイン。
そして、 最終コーナーから再びホームストレートへ。
一つのミスが、 次の区間だけではなく、 一周のタイムに影響します。
だからドライバーは、 一周を一つの「作品」のように組み立てています。
ブレーキをどこで踏むのか。
どこまでブレーキを残すのか。
いつステアリングを切るのか。
どこでクルマの向きを変えるのか。
そして、 いつアクセルを開けるのか。
それらすべてを、 5.807kmの中でつなげていく。
それが、 鈴鹿を速く走るということです。
次回から、鈴鹿を一つずつ見ていきます。
今回は、 鈴鹿サーキットというコースそのものについて ご紹介しました。
次回からは、 いよいよ一つずつのセクションへ入っていきます。
まずは、 ホームストレート。
ただの長い直線ではありません。
スタート。 加速。 スリップストリーム。 ブレーキング。 そして1コーナーへの進入。
レースの最初の勝負が始まる場所です。
そしてその先には、 鈴鹿を代表する 1コーナー、2コーナー、S字、逆バンク、ダンロップ と続いていきます。
次回からは、 それぞれの場所で 「ドライバーは何を考えているのか」 という視点から、 さらに深く掘り下げていきます。