前回に続き、 アルピーヌセンター横浜青葉さんにて拝見した Alpine A110 Rをご紹介します。
今回注目したのはリア部分。
一見すると通常のスポーツカーと大きく変わらないように見えるかもしれません。
しかし近づいてみると、 A110 Rが普通ではないことに気付きます。
リアウインドウがありません。
そこにあるのはガラスではなく、
カーボン製リアスクリーン。
アルピーヌはフランス生まれのスポーツカーブランドです。
軽量な車体と優れた運動性能を武器に、 ラリーやモータースポーツの世界で活躍してきました。
大排気量、大パワーで速さを作るのではなく、
「軽さ」
「バランス」
「操る楽しさ」
を大切にするメーカーです。
現代に復活したA110は、 アルピーヌの哲学を受け継ぐピュアスポーツカー。
エンジンを車体中央付近に配置するミッドシップレイアウトを採用し、 軽量なボディと組み合わせることで、 ドライバーとの一体感を追求しています。
単純な馬力勝負ではなく、 コーナーを駆け抜ける楽しさ。
車を操る感覚。
そこに価値を置いた一台です。
その完成度の高いA110を、 さらにサーキット方向へ研ぎ澄ませたモデル。
それがA110 Rです。
カーボンパーツの大量採用。
空力性能の向上。
さらなる軽量化。
すべては速く走るため。
A110 Rのリアには、 通常あるはずのガラスがありません。
カーボンリアスクリーンで完全に覆われ、 後方視界はゼロ。
残されているのは、 ハイマウントストップランプと、 エンジンルームの熱を逃がすためのダクトのみ。
この潔さ。
本当に気持ちが良いです。
便利だから付ける。
快適だから残す。
ではなく、
走りに必要かどうか。
最近のスポーツカーやスーパーカーは、 高性能でありながら快適性も非常に高くなりました。
もちろんそれも素晴らしい進化です。
しかし一方で、 昔のスポーツカーにあった 「走るためなら割り切る」 という潔さを見る機会は少なくなりました。
そんな時代に登場したA110 R。
期待以上に攻めた仕様です。
正直に言えば、 A110 Rの本当のポテンシャルを引き出すには、 サーキットという環境が必要だと思います。
しかし、 全てを使い切らなければ価値がないわけではありません。
乗り込む瞬間。
カーボンパーツを見る瞬間。
開発者のこだわりを感じる瞬間。
そこには数字では表せない魅力があります。
速さだけではない。
作り手の想い。
走りへのこだわり。
そのスピリットを感じられる車。
それがAlpine A110 Rだと思います。
THE LOT.では、 これからもスペックだけでは語れない、 車の魅力やストーリーをお届けします。